Mag-log in少し強引だったかなと反省している。
でも、こうでもしないと友也君は私の気持ちに気づかないだろう。 いつからだろう、私が友也君を意識し始めたのは。 あれは確か一年生の時だった。* * * * * * * * *
私には今、気になる奴がいる。
といっても、恋愛話とかそういう訳ではない。 そいつはいつも一人でいる。クラスが違うので移動教室の時にそいつの居るクラスを覗くといつも一人で居て、寝ているかゲームをしている。
合同体育の時は一緒に授業を受けるのだが、やっぱり一人。 男子がサッカー、女子はそれの見学の時見てみたら誰からもパスされていなかった。 というかボールに触ってたかな? こんな感じでいつも一人で居る。 私にはそれが信じられなかった。 私は皆から認めて貰える様、評価される様色々な努力をしている。 今では学校一のアイドルとまで言われる様になった。 だから何の努力文化祭2日目の朝、俺が教室に入るや否や「友也ー、ちょっとこっち来なー」 と早川から呼び出しを食らう。 朝っぱらから元気だなーと思いながら早川も元へ行くと「勝負の事は忘れてないよね~?」 と言いながらニヤニヤしている。 もう既に嫌な予感しかしない。 早川は一枚の紙を突き出して「じゃ~ん! 昨日は私達の勝ちみたいだね~」 言われ紙をみると、昨日の総合売上金額が書かれてあった。 なるほど、機嫌が良かったのはその為か。「どうよ、私達の力は」「まだ初日の結果だけじゃんか」「どうだろうね~、世の中は男の方が人口多いからね~」 と勝ち誇った顔をしている。 悔しいので嫌味で返してやろう。「そうだな。でも、メイド喫茶だけにしとけばもっと儲かったんじゃないか?」「は? 意味わかんないし」「いや、だから、最初からメイド喫茶にしとけばよかったんだよ」「それじゃ執事服来たイケメン見れないっしょ」「なんだ早川、執事好きだったのか」「別にそういう訳じゃないし。あんたらにサボられるのが嫌だっただけだから」「はいはい、んじゃ今日は頑張ってくださいね」「結果見てビビるんじゃねーぞ!」 というやり取りを経て執事グループに行く。 昨日は死んだ魚の様な目だった木村が復活していた。「ふふふ、昨日はたまたま佐藤君の知り合いが超絶美少女だっただけさ。今日は逃がさない」 と一人でブツブツ言っているので放っておく。 中居と水樹の元へ行き「昨日はお疲れ」「おっす友也」「おう」 と軽く挨拶を済ませた後「今日は二人はどうするんだ?」 と聞くと水樹は「取りあえず今日は年上を狙って行こうかな」「いや、ナンパの話じゃなくて」「はは、冗談だって。流石に自分の学校でナンパなんかしないって」「その割には昨日連
木村が裏に消えた後、その原因となった沙月に向き直り「適当な事言うな。付き合ってないだろ」「でも、ああいう人を穏便に追い払うのには効果的なんですよ~」「ったく、しょうがないな」 その後沙月はミートパスタ楓風を頼み「なかなかやりますね、負けてられません」 と独り言ちながらも満足そうに食べていた。 会計の時も俺が呼ばれ、会計を済ますと「またね、ダーリン♪」 と、またもや爆弾発言を投下して去って行った。 沙月が帰ったと同時に裏から木村が出てきて「まさか佐藤君の彼女だったなんて。どうりで俺になびかないハズだ」 と髪をかき上げながら言っていた。 何処か田口に似ている感じがした。 沙月が帰って一息つくと、今度は友華さんが来店した。 友華さんを見た木村がもの凄いスピードで向かい「おかえりなさいませ、女神さま」「え? え?」「貴女の様な美の女神は初めてみました」「は、はぁ。えっと、友也さん呼んで貰っていいですか?」「……か、かしこまりました」 と言って、木村は物凄い形相で「御呼びだぞ」 と一言だけ言って裏へ消えていった。 昨日の事が頭を過るが友華さんの元へ行き「お帰りなさいませお嬢様」 と言うと「執事服似合ってますね」「ありがとうございます」「それじゃあエスコートお願いします」 と言って腕を組んできた。 いつもの友華さんらしくない行動に戸惑っていると「あら? ご主人様の言う事が聞けないのかしら?」 と揶揄うような笑顔で言われた。 どうやら友華さんのヲタクスイッチが入ってしまっているようなので「とんでもございませんお嬢様、私が責任を持ってエスコートします」 と友華さんに合わせて俺もスイッチを入れた。「ご注文はお決まりです
とうとう文化祭当日を迎えた。 準備期間とはまた違った雰囲気だ。 廊下ではコスプレや着ぐるみも見かける。 学年問わず、皆が今日まで頑張ってきた。 そして開催を今か今かと待ちわびている。 教室に入ってもそれは変わらず、みんなソワソワしていた。 とりあえずいつものメンバーで集まると、田口が「今日はさ、恭子ちゃん来るからその時はあまりイジらないで欲しい」 と言ってきた。 そりゃそうだよな。好きな人の前では恰好を付けたい気持ちは分かる。 そう考えていると中居が「もしかしてあのキャラで行くのか?」「もちのろんよ! っていうか、恭子ちゃんからテンション上げるなって言われてるんよ~」「お前……俺達にも紹介しろよ」「分かってるって~」 そんな事言われてたのか。 まぁ落ち込んでる田口が好きだからしょうがないのか? と雑談していると、早川に呼ばれた。「友也ー、勝負の事忘れてないよね~?」「ああ、覚えてるよ」「よ~し。大差で勝ってやるよ」 と言って早川はメイドグループへ向かった。 どうしてあそこまで勝負に拘るんだろう。 でも、勝負をするなら勝ちたいな。 俺は男子達を集めて「たった今、早川から宣戦布告を受けた! 皆、この勝負勝つぞ!」「「「おおおぉぉぉ!!」」」 よし。こっちだって気合いでは負けてない。 「只今より、第46回咲高祭を開催致します」 と校内アナウンスが流れ、遂に文化祭が始まった。「おかえりなさいませご主人様」「ご主人様、ご注文はいかがなさいますにゃ?」「お待たせしましたご主人様、早く食べてくださいね」 開始してから1時間が経過したが、その殆どがメイド目当ての男性客ばかりだ。 しかもメイドの接客のクオリティが高い。
とうとう文化祭本番が明日に迫った。 調理係も無事に準備ができ、後は本番を迎えるだけとなった。 だが俺にはもう一つやらなければならない事がある。 バンドの助っ人をしているので、今日は最終リハーサルが行われる。 バンドメンバーと共に体育館に向かう。 聞くと他のバンドメンバーも今回がステージに立つのは初めてらしい。 体育館に着くと、他のバンドや演劇等をやるであろう生徒が結構な人数居た。 文化祭実行委員に此処で待っててくださいとの事だ。 俺達は持ってきていた機材を置いて指示に従う。「やっべー、緊張してきたー」「ばっか、まだリハーサルだろ」「でも結構な人数いるしな」「っていうか、他の人達は緊張しないのかな」 とメンバー同士で話している。 リハーサルから緊張してどうするんだと言いたいが、俺も緊張していた。 しばらくすると、リハーサルが始まった。 事前に渡された番号順に呼ばれ、リハーサルをやっていくらしい。 前半は演劇系で後半がバンドやダンスといった順番だ。 「次はバンド演奏のリハーサルに入ります。係の指示に従ってください」 というアナウンスが流れる。 それを聞いたメンバーの表情が強張る。 そんなに緊張してミスしなければいいのだが。 そしていよいよ俺達の出番になった。 機材をセッティングしながらメンバーに話しかける。「大丈夫かー? あまり緊張するなよー」「だ、だいじょぶだよ~」「き、緊張とかしてないし?」「お、おおう」「はぁ……はぁ……」 反応を見る限りだとかなり緊張してるな。 これでミスをすれば明日の本番はミスは出来ないというプレッシャーも掛かる。 どうにかして緊張を和らげないと。 と考えて、ある事を思いついた。「そう言えばお前らって彼女い
文化祭当日まであと2日迄迫ってきていた。 飾り付けや衣装も出来上がり、後は本番を待つだけとなっていた。 クラスの出し物は殆ど終わったが、俺には明日バンドのリハーサルがあった。 バンドの他にも演劇部等も一緒にやるらしい。 正直今でもステージに立つのは怖い。 それでも逃げないとあの時誓った。 やれるだけやろう! と意気込んでいると、教室の後ろがざわつきだした。 なんだ? と思い話を聞いてみる。「調理係がやらかしたんだよ」「やらかしたって、何をだ?」「メニューの一つが完成してないらしい」 なるほど。 しかしメニューによっては削るのも選択肢の一つだな。 調理係に何のメニューが完成していないのか聞くと「ミートパスタのソースがどうしても旨く出来ないんだ」「ミートパスタか……」 よりによってミートパスタとは……。 中居のリクエストだから削る訳にもいかないな。「今どんな感じなのか味見させて貰っていいか?」「ああ、それなら家庭科室に来てくれ」「分かった、後から行くから先に行っててくれ」 そう言うと調理係は家庭科室に向かった。 俺は黒板の前でメイド服を試着している女子達に向かった。 目的は及川だ。 ミートパスタが大好きな及川なら何かアドバイス出来るかもと考えた。 女子グループの所迄行くといきなり後ろからチョークスリーパーをかけられた。「トモー、どう? 似合ってる?」「……」「ねぇ聞いてるの~?」 く、苦しい……。 俺が必死に腕をタップすると「あっ、ごめん」 と言って俺を開放した。「ゲホッゲホッ……」「ご、ごめんね~」「いき
俺達が驚いていると、水樹は得意気に「友也の歌の上手さは俺が保証するぜ」 と言いながら肩を組んできた。 堪らず俺は「いやいやいや、無理だから!」 と俺が拒否していると、バンドの人も「水樹君が言うなら上手いんだろうけど、ステージに立った事ないんでしょ?」 そうだよ、いきなりステージで歌える訳が無い。 カラオケとは違う。 だが水樹は「俺の時だって初めてだったぞ? それに本番迄練習すれば大丈夫だって」「そりゃそうだけどさ……」 いくら練習したって無理だ。 ステージで歌う度胸なんて元ぼっちの俺にあるはずがない。 そうだよ! 元ぼっちがステージで歌って誰が得するんた? みんな水樹に歌って貰いたい筈だ。 このバンドの人だって水樹を頼りにしてきたんだ。「歌は俺が教えるから水樹がステージに立った方がいい」「この曲目なら友也の方が絶対上手いって」「そうじゃなくて、みんなは水樹に歌って欲しいんだよ」「友也?」「俺みたいな奴がステージに立っちゃダメなんだよ」 と言い終わるや否や、水樹は俺の胸ぐらを掴んだ。 そして俺を睨みながら「俺みたいな奴ってどういう意味だよ! まさか自分が元ぼっちだからその資格が無いなんて思ってるのか?」 ヤバい! すげぇ怖い! だけど「そうだよ! 俺なんかより水樹が歌った方が盛り上がるだろ!」「っ!? ちょっとこっち来い。純は待っててくれ」 と言ってかなり強目に引っ張られ、非常階段の所まで連れてこられた。 そして水樹は俺に問いかける。「友也、まだ自分がイケてないなんて思ってるのか?」「そんな事は無いよ。去年よりずっと学校が楽しい」「だったら何であんな事言ったんだ?」「たまに……水樹達には敵わないなって思う